北京五輪で、連日多くの活躍を見せる日本勢は、冬季オリンピックとしては過去最多のメダルを獲得。去年の東京オリンピックでも、過去最多のメダル数でした。実は東京大会のメダルの原料は、名古屋との関わりががあります。
東京オリンピック・パラリンピックのメダル。原料となったのは…。
「メダルの原料となったのは使い終わったパソコンなどから取り出される金属です」(記者)
大会で使われたメダルは、約5000個。その全てが、使い終わったパソコンやスマートフォンから取り出した金属で作られていました。
小型家電の金属からメダルを作るプロジェクトの中心となったのは、名古屋市に本社を置く、リサイクルの会社でした。
プロジェクトを進めた背景には、日本が抱えるある事情が。
「使用済みの小型家電は、年間で65万トン発生すると言われているが、ほとんど不燃ごみとか粗大ごみで回収されて、埋め立て処理されている。不要となった携帯電話やパソコンの中には、たくさん有用な金属が含まれていて、都市鉱山と呼ばれています」(リネットジャパングループ取締役 中村俊夫さん)
都市鉱山とは、使用済み小型家電に貴金属やレアメタルなどが含まれていることから、都市にある鉱山という意味で呼ばれています。
環境省などによりますと、「金」は世界の天然の埋蔵量の16パーセントに匹敵する量が日本の都市鉱山に眠っています。
自然の金山の石1トンから取れる金の量は約5グラムですが、携帯電話1トンから回収できる金は約280グラムにもなります。
こうした日本の都市鉱山と世界の天然資源の埋蔵量を比較すると、日本は世界最大の資源国になるとしています。
家電リサイクルがSDGsに
リネットジャパングループでは、小型家電のリサイクル事業を2014年から行っています。
新型コロナの感染が拡大してからは、リサイクルを依頼される家電の量が、2倍ほどに増えたといいます。その理由は?
「コロナ下では、やはり皆さんいる時間が長かったということもありまして、より家の中の片付けが進んだ。新しいパソコンに買い替える方も増えたと思う」(リネットジャパングループ取締役 中村俊夫さん)
集まった小型家電は、データを消去したあと、解体と部品の仕分けが行われ、基板などから資源が取り出されます。
手作業で解体が行われる工程の中では、SDGsの理念「誰一人取り残さない」取り組みが行われています。
「パソコンは、たくさん資源を含んでることもあり、全部手作業で分解していく。その分解作業に、知的障害のある方に一般就労という形で、活躍していただいています」(リネットジャパングループ取締役 中村俊夫さん)
都市鉱山を資源として再利用するには、私たち一人一人の協力が必要だと言います。
「やっぱり環境への取り組みは、今だけやるものではなくて、将来にわたってずっと継続してやっていかなければならない。一つ一つのそれぞれの課題をクリアしていくということも大事なんですけども、誰か1人が頑張る、1社が頑張るのではなくて、やっぱり皆さんの協力の輪が必要。そんな輪を広げていけるように頑張っていきたいなっていうふうに思っています」(リネットジャパングループ取締役 中村俊夫さん)
(2月18日 15:40~放送 メ~テレ「アップ!」より)
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