東京オリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は、出版大手『KADOKAWA』の会長・角川歴彦容疑者(79)を贈賄の疑いで逮捕しました。

特捜部によりますと、角川容疑者は、組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)に対して、スポンサーの選定をめぐり、便宜を受けたいと依頼をし、約6900万円の賄賂を渡した疑いが持たれています。特捜部は角川容疑者の認否について明らかにしていません。

社員は「驚いた」と口を揃えるなか、こんな声もあります。
KADOKAWA社員:「特にビジネス嗅覚が優れている人だから。うちの会社は、会長の求心力が強い。“会長案件”というものもありますから」

角川容疑者は1966年、角川書店に入社すると、『ザ テレビジョン』や『東京ウォーカー』など、多くの新規事業を立ち上げます。会長に就任すると、ニコニコ動画で知られる『ドワンゴ』と経営統合するなど、デジタル事業にも積極的に参入。そして、東京オリンピックでは、オフィシャルサポーターとして、組織委員会とスポンサー契約を結び、公式プログラムなどの出版を手掛けました。

角川容疑者は5日の会見で、こう話していました。
角川歴彦容疑者(5日):「(Q.賄賂を渡したという認識は)全くありません。そんな心が卑しく、今まで50年も経営したことはない。一緒にしないで」「(Q.高橋容疑者の知人の会社にKADOKAWA側から7000万円支払われた)その人は電通の雑誌局長やった人だった。電通の人だと思って会っていた」

この会見の翌日、特捜部が動きます。KADOKAWAの元専務・芳原世幸容疑者(64)と、元担当室長の馬庭教二容疑者(63)を贈賄の疑いで逮捕。角川容疑者の自宅にも家宅捜索が入り、関係資料などが押収されています。

角川容疑者は、元専務や元担当室長と共謀のうえ、2019年の9月から9回に渡り、KADOKAWA名義の口座を使って、高橋容疑者の知人・深見和政容疑者(73)が経営する会社に約6900万円を振り込んだということです。

KADOKAWAは、会長の逮捕を受けて、コメントを出しました。
KADOKAWA:「本件を厳粛に受け止めており、東京地方検察庁の要請に誠意をもって対応するなど、引き続き、捜査に全面的に協力してまいります」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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