来年期待の選手

たった五試合で戦線離脱 

栗原陵矢がけがをしたのは3月30日だ
った。
2021年シーズンに大ブレイクを果た
し、東京五輪にも出場経験のある栗
原。
今季は主軸として期待されていた。
シーズンが始まると初戦から5番を任
されていた。それだけ首脳陣にも期
待され、それと同じくらいファンも
期待していた。
初戦こそヒットがなかったものの、
2戦目、3戦目ではホームランを放ち
期待通りの仕事をしていた。そんな
姿に首脳陣やファンもおそらく安心
しきっていた矢先の出来事であった。

左外側半月板損傷
今シーズンが始まって5試合目の3月
31日千葉ロッッテマリーンズ戦。
試合もあとアウト1つで終了だった。
しかし悲劇はそこから起きてしまっ
た。
9回2アウトから左中間へ打球が飛ん
で行った。
この飛球をレフトから栗原、センタ
ーから上林が交錯する形になってし
まった。
栗原は起き上がることができずに負
傷交代。
全てのホークス関係者が心配する中、
2日後の検査で判明したのが
「左外側半月板損傷」であった。全
治は6~7か月とみられていた。
この時点で今季の出場は絶望となっ
てしまった。

背番号24栗原陵矢
今季から偉大な先輩の背番号を背負
ってプレーすることになっていた。
栗原がブレイクするきっかけとなっ
たのは2018年からの中村晃との自主
トレからだった。
中村からは卓越した打撃技術をはじ
め、プロ野球選手としての姿勢など
様々なことを現在でも教わり続けて
いる。
その師匠である中村を師事していた
のが昨年引退し、今年から一軍打撃
コーチに就任した長谷川勇也であっ
た。
栗原自身も
「技術的なものはもちろんですが、
打者としての心構えも教えていただ
きました」
と以前から話していた。
ホークスの打撃職人の系譜を受け継
いでいこうと、シーズン終了後に長
谷川に背番号24の後継者になりたい
と自ら願い出た。
球団公式SNSには背番号継承動画まで
アップされており、栗原は
「長谷川さんという素晴らしい、偉
大な方から受け継いだ24番。最多安
打を取れるように、タイトルを狙い
ながら来年から頑張っていきたいと
思います」
とコメントしており、2022年シーズ
ンに対して並々ならぬ思いを持って
いた。

台頭してきた若手選手&ジョーカー
栗原がけがしたからと言ってレフト
のポジションをあけるわけにはいか
ない。
そんな中栗原の代わりに一軍に上が
ってきた選手がいた。それが柳町達
だ。栗原がけがをする前まで二軍で
虎視眈々と昇格を狙っており、
打率も5割と非常に調子を上げていた。
栗原のような長打はないものの、持
ち前の選球眼とバッティングコント
ロールによってヒットを量産してい
った。
シーズン終盤に調整のため二軍落ち
し、規定打席には惜しくも到達しな
かったものの、
結果的に打率.277でシーズンを終え
た。
昇格当初に残したコメントでは、
栗原さんくらいの結果を残してチー
ムを救えるような存在になりたい
と語っていた。タイプは違えど最終
戦まで優勝争いを繰り広げられたの
は間違いなく柳町の活躍もあっただ
ろう。
今年のホークスはもう一人。来季の
栗原を脅かす選手がいた。
ジョーカーこと牧原大成だ。
今季は120試合に出場し、打率も.30
1と高打率を残していた。
本来牧原自身は今季開幕当初セカン
ドでレギュラーを目指していた。し
かし、三森の台頭や外国人選手の不
調から外野を守り始め、
シーズン途中からセンターのレギュ
ラーとして定着していた。
栗原がけがをしたとき、センターを
守っていた上林もシーズン途中で、
長期離脱をせざるを得ない怪我を負
ってしまっていた。
自慢の俊足を武器に広い守備範囲を
ほこり、様々な場面でホークスの危
機を救ってきた。
そんなジョーカーは来季よりジョー
カーとして一軍で過ごすのではなく、
センターのレギュラーを目指すと宣
言している。
こうなると、ライトには不動の4番柳
田。センターには今季守っていた牧
原、上林、佐藤直樹などがあげられ
る。
そして栗原のポジションでもあった
レフトには、師匠の中村晃、外国人
選手、柳町、正木などがあげられ、
実績のある選手、若手の有望な選手
が熾烈なレギュラー争いを繰り広げ
ている。

北海道からの挑戦者
来季より日本ハムからホークスにFA
で加入する選手がいる。
それが近藤健介だ。
近藤は日本代表でも活躍し、最高出
塁率のタイトルも2回獲得するなど球
界を代表する左の好打者がホークス
の一員となることが決まった。
そんな近藤を福岡の地へ口説き落と
すことができたのは、金額以外にも
あったようだ。
それが、栗原の師匠の師匠長谷川で
あった。
入団会見で、長谷川のことについて
尋ねられると、
ずっと師匠と呼ばせていただいて関
わりだしたのが14年。長谷川さんは
すごい打撃をしていてああいう風に
なりたいと思った。色々教えていた
だいて自分の成長も気にかけてもら
って、
本当に師匠という言葉しかないと思
います。
と語っていた。
長谷川門下生がホークスには複数人
いることとなり、よりハイレベルな
争いが来季から始まる予感がしてい
る。
実績のある近藤がスターティングメ
ンバー入りすることは間違えないで
あろう。
キャッチャー出身で肩も強いことか
らおそらく外野での起用が考えられ
ていると思う。
このような状況になってくると、昨
季実績を残した栗原でさえもうかう
かしていられない状況になってきた
のだ。

三塁への挑戦
来季から、ホークスの不動の三塁手
であった松田が巨人へ移籍すること
が決まった。
ついにホークスのホットコーナーの
レギュラー争いのゴングが鳴った。
候補としては、俊足の周東、ルーキ
ーイヤーにホームラン10本の野村勇、
期待の長距離砲リチャード、メジャ
ー109発のガルビス。
そしてこのポジションを狙っている
のが栗原だ。
秋季キャンプでは守備の師匠として
今宮を師事し、一緒にノックを受け
てきた。
キャンプから取り組んでいるサード
の守備だが、キャンプ前に来季のサ
ード一本宣言をしていた。
これまでキャッチャー登録で外野も
守り、今期は外野手登録でもあった。
そんな栗原について藤本監督は適応
能力の高さを評価していた。
栗原本人は本当にまだまだで基本的
なところから。地道にやりたい。と
謙虚に話し、
初挑戦のサードのポジションにおい
てのレギュラーを目指している。

毎年優勝争いに加わっているホーク
ス。
そんな常勝軍団の中で起こるレギュ
ラー争い。
毎年結果を残さなければ二軍から虎
視眈々とレギュラーを狙っている選
手に変えられてしまう。
そんな厳しい世界でも失敗を恐れず
新たな挑戦をし続ける
栗原陵矢から来季も目が離せません。
今回はここまで。最後までご視聴い
ただきありがとうございました。チ
ャンネル登録、高評価よろしくお願
いします。

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