東京オリンピックが開幕しました。コロナ禍でのオリンピックを、世界はどう見ているのでしょうか。
3カ所と中継を結んで聞いていきます。
まずは、3年後、2024年にオリンピック開催が決まっているフランス・パリの金指光宏さんに聞きます。
(Q.東京オリンピックが開幕しましたが、パリ市民はどのように見ていますか?)
エッフェル塔の目の前の広場では、東京オリンピックのパブリックビューイングが行われています。開会式を見ていた方に話を聞くと『本当に無観客でやっているのか』と驚いている様子でした。
この会場では、アルコールを含めた飲食物を提供しています。皆さん何の不安もなく楽しんでいます。というのも、この会場に入るためには、ワクチンの接種証明や陰性証明、いわゆる“ワクチンパスポート”が必要です。
来場者に『フランスと無観客となった日本は何が違うのか』と聞くと『ワクチン接種率の差だろう』『ワクチンがそれほど広がっていない日本にとって、海外からたくさんの人が来るというのは恐怖でしかなかったんじゃないか』『やはり無観客という選択肢しかなかったのではないか』と分析していました」
続いて、アメリカの中丸徹さんに聞きます。
(Q.開会式が始まって、アメリカではどのように伝えられていますか?)
新聞には「コロナのオリンピックが始まる」とあります。今回どうしても枕詞として「コロナ」が付いてしまうことは避けられないなかで、下を見ると「アスリートの喜びだけが、このオリンピックを救うことができる」とあります。
アメリカの盛り上がりとしては、選手の活躍・競技に関する関心が高まっています。
ワクチンが普及して、ほぼ通常の生活を取り戻したアメリカですが、ここにきて、デルタ株によって新規感染者が増えています。
またマスク着用義務といったことを課すのか、それともコロナと共存してこの生活を続けるのか、まさにそんな議論が行われているなかで、オリンピックに期待されているのは、楽しめる話題としての選手の活躍。これが一般的なオリンピックの受け止めだと思います。
(Q.ほぼ無観客の開催については、どのように受け止めていますか?)
異例の事態であって「本当に盛り上がるのか」という疑問の声もあります。
一方で、コロナ禍でのイベント開催に苦しんできたので、日本のやり方を批判するというよりは、日本には日本のやり方があるということで、理解されているんだと思います。
ただ、組織委員会絡みの不祥事の連続に関しては「日本はおもてなしであったり、質の高い生活をオリンピックでアピールするはずだったのに、おじさん体質の古い感覚を世界に宣伝してしまった」という厳しい批判の声もありました。
中国・北京にいる千々岩森生さんに聞きます。
(Q.北京では、半年後に冬季オリンピックを控えていますが、東京オリンピックの開幕はどのように伝えられていますか?)
中国の新聞では、1面にオリンピックはありません。非常に扱いが小さいです。
なぜかというと、河南省で起きた豪雨被害の犠牲者が増えていて、オリンピックムードに水を差された形となっています。
もう一つは、中国政府にとって大事なのは東京オリンピックではなく、200日を切った冬の北京オリンピックになります。
中国政府にとってはメンツもかかっていますから、頭はそっちにいっているというのが空気感だと思います。
(Q.日本では、ほとんどの会場で無観客開催となったことについては、どう見られていますか?)
北京オリンピックの参考にするため、東京オリンピックのコロナ対策の良いところ、悪いところを、中国も非常に注目しています。
今、東京五輪の感染対策や、海外の反応などものすごくチェックして、参考にしようとしている。東京は無観客ですが、北京の開会式はたぶん満席です。
1日に行われた中国共産党100周年式典では、7万人が集まって、マスクをしていません。
これは、わざとです。来る時や帰る時はマスクをしているのですが、会場に入ったら「マスクを取ってください」と言われて、私もびっくりしました。
マスクをしない中国をアピールしたいんだなという感じです。
恐らく半年後の北京オリンピックでも、こんな光景が広がるんじゃないかと思います。
ただ、難しいのは、海外から北京市内に来る人には21日間の厳しい強制隔離が待っています。
そのため、満員だけれども、よく見たら皆さん中国の方ですねということになるかもしれません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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