2028年に開かれるロサンゼルスオリンピックをめぐり、国際オリンピック委員会は16日、5つの追加競技の採用を決めました。なかでも、クリケットは、1900年のパリ大会以来、128年ぶりの正式採用となりました
野球の原型とも言われる、イギリス発祥のクリケットは、インドの他、オーストラリアや南アフリカなど、イギリス連邦諸国を中心に、大人気のスポーツ。競技人口は世界2位と言われるほど人気があります。
1チーム11人で行い、守備と攻撃に分かれ、投手の投げるボールを、打者が打ちます。野球に似ていますが、360度、どの方向に打ってもよいなど、ルールはかなり違います。
IOC総会:「クリケットにようこそ。競技時間を短縮し、躍動感にあふれ、若者に魅力的な新たなスタイルです」
プロ・アスリートのSNSのフォロワー数で、世界3位と言われているのが、インドのプロ・クリケット選手、ヴィラット・コーリ選手。クリケットは、人口14億人以上と言われるインドで、すさまじい人気があります。現在、インドでクリケットのワールドカップが開かれていて、スタジアム周辺に集まったファンは、大興奮の日々を送っています。
さらに、日本人に馴染みのある、アニメ番組も。『スーラジ ザ・ライジングスター』は、スラムに住む少年スーラジが、父の厳しい指導のもと、プロ・クリケット選手を目指す、インド版『巨人の星』。“ちゃぶ台返し”“魔球”なども登場します。
今回、128年ぶりの採用となった背景には、IOC(国際オリンピック委員会)にとって、新たな市場開拓の意味合いもあるとみられます。
IOC総会:「クリケットが伝統国を越え、世界的な舞台で披露され、オリンピック・ムーブメントは未開拓だったアスリートやファンのコミュニティーにアクセスすることができます」
イギリスメディアは、オリンピック競技で、強豪国ではない、南アジアのクリケットファンを取り込めば、相当数の視聴者を獲得できるとの見方を報じています。ワールドカップでの、インド対パキスタンの試合配信は、同時視聴者数が、過去最高の3500万人に達しています。
今回の決定は、日本代表にとっても朗報です。
日本クリケット協会 宮地直樹事務局長:「追加種目になったことは、我々の活動に大きな追い風が吹くと考えていて、より多くの人々にクリケットの世界への扉が開かれることを期待しています」
男子U19強化選手の栗原智樹さん(16)は、保育園のころから、クリケットを始めたといいます。
栗原さん:「(五輪は)世界中の誰もが興味を示す大会でもありますので、それに出場できるように努力する気持ちのモチベーションも上がります。肉体的にも強くなってパワーもついてくる年だと思うので、5年後には日本代表として活動できればなと思っています」
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