■ニュースの概要■ 2021年8月8日、東京オリンピックが閉幕したが、野球競技において日本代表チームは5戦全勝の優勝を飾り、金メダルを獲得する輝かしい成績を収めた。一方、韓国代表チームは、通算成績で3勝4敗の負け越しを喫し、最終順位では参加6カ国中の4位に沈む惨敗を喫した。韓国野球は、2008年の北京オリンピック大会で金メダルを獲得し、13年ぶりに野球が正式種目となった2021年東京オリンピック大会においてもメダルの獲得が期待されていたが、あまりにも不甲斐ない惨敗を喫すると、韓国メディアらは手のひらを返したように一斉に非難を始めた。韓国・文化日報によると、韓国MBCのホ・グヨン解説委員は、「北京オリンピックで金メダルを獲り、世界最強になった気になっていたが、それは完全な錯覚であったということだ。韓国野球は自己陶酔に陥った井の中の蛙であった」「韓国国内での絶大な野球人気に支えられ、選手たちは自惚れていたようだ」と指摘し、精神的な驕りを強調した。同じく韓国MBCのチャン・ソンホ解説委員は、「米国代表チームの選手はマイナー・リーグを中心に構成されていたが、韓国チームの投手陣の投球パターンを事前分析によりほぼ全て把握していた」「一方、我々の韓国チームは大会前の準備を完全に怠っていた」と指摘し、分析の欠落、準備の怠慢を強調した。また、メジャー・リーグの事情に明るいソン・ジェウ前解説委員は、「かつての日本野球は、イチロー選手に代表されるミートの上手い打者が多かったが、今はフル・スイングしてくる選手が多い」「日本の野球スタイルは変わった。攻撃野球が現在の世界的な潮流であるが、日本はこの流れに合わせるように変わった。だが韓国チームでは主軸の中心打線ですら、相手ピッチャーの球を強く遠くにはじき返せる打者はいなかった」と指摘し、実力の不足を強調した。このように韓国側は、惨敗の原因を「精神的な驕り」「分析の欠落」「実力の不足」と分析した。しかし実力不足については、実はもっと、極めて根本的な原因が存在していたことが分かってきた。
引用・参考:https://www.chosun.com/sports/sports_photo/2021/08/05/NVKOULKAMN6UGETQ6DAC7KMT5Y/
http://www.munhwa.com/news/view.html?no=2021081001072139334001

■ニュースを深堀り■  さて韓国野球の実力不足については、根本的な理由が存在していたようだ。それは日本と韓国のプロ野球を比較すれば自ずと明らかになる。米国出身のジェリー・サンズ外野手はメジャーを経験後、2018年と2019年に韓国プロ野球のネクセン・ヒーローズに所属し、2020年には日本プロ野球の阪神タイガースに所属して、数十本の本塁打を放った長距離バッターであり、日韓の野球の違いをよく知る人物の1人だ。ジェリー・サンズ選手は、「日本の速球投手の球速は155キロと速いが、韓国の速球投手の球速は145キロと遅い」と指摘した。すなわち日本と韓国では、ピッチャーの球速に10キロもの差があったのだ。ストレートの球速は、投手の実力を示す大きな指標の1つであるが、それと同時にリーグを代表する重要な指標であるとも言えるだろう。ピッチャーが投げるボールの球速が速ければ、ミートそのものが難しく打ち返すのが困難になり、変化球が生きる、緩急が自在になるなど、投手にとって圧倒的に有利な状況が生まれる。一方のバッターは、これに対抗すべくスピード・パワーを向上させテクニックを磨く必要があり、結果リーグ全体の実力を押し上げることに繋がるのだ。ここ数年、日本の投手のレベルは米国メジャーリーグの水準に近づきつつある。ところが韓国の投手のレベルは、十数年前の北京オリンピック以降、変化していないという。とすれば、韓国野球のレベルが低下したのではなく、進化する世界野球のレベルから置いて行かれたということになるだろう。一方、2009年から2011年にかけて投手として韓国プロ野球でプレーし、その後韓国と日本で投手コーチを務めた経験を持つ門倉健(かどくら・けん)氏は、かつて韓国の打者の欠点を次のように指摘していた。「韓国の選手は体の硬い人が多い」「通常、長距離バッターは、打つ時に腕が適度に伸びる外側のボールを強く叩くことができるが、韓国の選手は体の硬いため、内角球に上手く対処することができないようだ」「日本の選手はとても柔軟なので、肘のたたみ方が上手く、内角に来た球を器用に捌いて、長打することができる」つまり、韓国のバッターには技術的な限界があり、内角球が弱点であるということだ。結局、東京オリンピック・野球競技において、球速の遅い韓国の投手は打ち込まれ、速球と内角球に対処できない韓国の打線は沈黙した。そして選手層は薄く、代わりの選手もいなかった。韓国代表チームが惨敗を喫したのは決して偶然ではなく、必然の結果であったと考えられるのだ。

今回のテーマは「韓国野球が東京五輪で惨敗した理由? そして今後予想される深刻な問題とは?」でした。さて、韓国のプロ野球は、2008年北京五輪の金メダル獲得以降、観客数は急増し、選手の最高年俸が10億ウォンを超えるなど、年俸が高騰したといいます。しかし今回、実力の決定的な不足が露呈したことにより、韓国野球には今後「井の中の蛙」、というレッテルが貼られるとともに、ファンの離脱、人気の低下、観客数の減少が深刻に懸念されており、早くも存続が危ぶまれる状況に陥ったようです。では、韓国野球の今後の巻き返しはあるのでしょうか? どうやらその答えは否定的なようです。もともと人口5200万人の韓国では、米国・日本に比べ選手層が薄い上に、現在進行している極度の少子化問題は、特にスポーツを始める若年層の人口を急速に減らすことが予想されるため、結果、スポーツ人口、野球人口は激減することになりそうです。今後の韓国野球は、世界からますます取り残されていくことが予想されますが、これは野球に限ったことではなく、オリンピック種目、スポーツ全般にも及ぶことになると考えられます。国威宣揚の一端を担ってきたはずの韓国野球と韓国五輪代表選手の不振は、国全体の問題を反映した結果であるとともに、今後の産業・経済にとって深刻な状況を暗示するものでもあったようです。以上、甘井香織がナビゲートいたしました。みなさんは、どう感じられましたか?
引用・参考:https://bb-news.jp/news/%E9%98%AA%E7%A5%9E%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%80%81%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A8%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%80%8C%E4%BD%95%E6%95%85%E3%81%8B%E3%81%AF.html

韓国はなぜ国際大会に強いのか? 日韓両国の野球を知る門倉健コーチに聞いてみた【Global Baseball Biz vol.32】


https://japanese.joins.com/JArticle/281735

■使用楽曲提供:
「甘茶の音楽工房」様 https://amachamusic.chagasi.com/
「ミュージックノート」様 http://www.music-note.jp/bgm/

■甘井香織です。YouTubeポリシーに準拠したご意見・ご感想が製作の励みになります。チャンネル登録はこちら→ http://www.youtube.com/channel/UCOHjxgf8CpNyg6gRMk8vurg?sub_confirmation=1

NIHON2020.COM - Olympic Games Tokyo 2020.