北京オリンピックの開幕まであと3日となりました。今大会は、新型コロナ対策のため、大会関係者と一般市民を接触させない『バブル方式』がとられています。
そのバブルの中で取材を続ける阿部健士記者に聞きます。
(Q.取材しての実感を教えてください)
阿部健士記者:「バブル内での日々は、大きな鳥かごの中での軟禁生活といったところです。開会式が行われるスタジアム『鳥の巣』や、色鮮やかにライトアップされたオリンピックタワーがあり、一見、非常に華やかですが、バブル内の生活とは対照的です。
基本的に我々は、ホテルとメディアセンター、各競技会場のアクセスのみが認められています。移動は専用のバスやタクシーを利用しますが、バブルの外にいる一般の人とは完全に隔絶されています。
日々の感染対策も徹底されていて、アプリを通じた毎日の体調報告や、PCR検査も毎日受けないといけません。大会の中国人スタッフは、大会終了後も最低1週間は隔離生活が待っています。
(Q.バブル内での取材は自由にできますか)
阿部健士記者:「バブルの中では、色々と制約はあるものの、ある程度の取材を行うことは可能です。ただ、中国政府が触れてほしくない部分については、思うように取材できない印象です。
メディアセンターなどにいる現地のボランティアスタッフに話を聞こうとしても事前申請が必要で、質問内容も事前に伝えなくてはいけません。インタビューをしても、返ってくる答えは用意された回答のみということで、バブル内にいる海外メディアが、現地の人たちの思いや考えを聞き出すのは非常に難しい状況です」
バブルの外側、北京市内で取材している千々岩森生中国総局長に聞きます。
(Q.バブルの外はどうなっていますか)
千々岩森生中国総局長:「北京市民のオリンピックへの思は、やはりまだ上がり切らないというか、中国国民の最大関心事は、1に春節、2にコロナ、3にオリンピックというのが、今の正直なところだと思います。
習近平政権は、世界各国のVIPたちがやってきて、中国をアピールするはずが、それがかなわなくなってしまったのは、誤算だったと思います」
(Q.国際的に狙い通りいかないなかで、中国政権はオリンピックにどんな期待をかけていますか)
千々岩森生中国総局長:「国際的なアピールという意味ではボリュームダウンが否めないと思いますが、習近平政権が一番見ているのは国内です。国内に向けては、オリンピックの結論は“成功”の2文字しかありません。成功した部分を国内にアピールし、求心力を高めて、秋の党大会で3期目に入るというシナリオなのだと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
NIHON2020.COM - Olympic Games Tokyo 2020.