東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元理事が大会スポンサーのAOKIから4500万円を受け取っていたとされる問題です。海外にも太いパイプを持つ元理事とは一体、どんな人物なのでしょうか。

 東京2020大会で日本選手団が身にまとった公式ユニフォーム。手掛けたのは紳士服大手のAOKIです。

 関係者によりますと、大会スポンサーであるAOKIから組織委員会の高橋治之元理事(78)が在任中、少なくとも4500万円に上る資金提供を受けたとみられることが分かりました。

 東京オリパラ組織委・高橋治之元理事:「組織委員会の理事は兼業をしても構わない。AOKI側をひいきしたわけでなく、不正な作業は行っていない」

 多くの感動を呼んだオリンピックから1年…。

 高橋元理事への資金提供とAOKIがスポンサー企業になったことには関係があるのでしょうか。その目的の解明が焦点になる見通しです。

 スポーツライター・小林信也さん:「スポーツビジネスの汚れ役を率先してやっている。そのことをいとわない。スポーツビジネスの裏側のドン」

 東京オリパラ組織委・高橋治之元理事:「私は45年間、電通に勤務しておりまして、そのうち約35年間はスポーツビジネスに関わっておりました」

 「渦中の人」となっているのは、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事です。

 当時は理事の立場にある一方、自身が代表を務める会社と大会スポンサー企業の1つで、エンブレム入りスーツやジャケットなどを販売したAOKIホールディングスとの間にコンサルタント契約を結び、受け取った総額は少なくとも4500万円に上るとみられます。

 組織委員会の理事は「みなし公務員」にあたり、利害関係者からの金品の受け取りは収賄罪に抵触する恐れがあります。

 東京都・小池百合子知事:「まだきっちり(報告を)受けておりませんが、報道については承知しております。組織委員会の方で調査をするという、その旨は聞いております」

 テレビ朝日の取材に対する高橋元理事の見解です。

 東京オリパラ組織委・高橋治之元理事:「コンサルティング契約を結び、その報酬を受け取ったことは確か。オリンピックに関する働き掛けはしていない。AOKIにひいきがないよう、自分のなかできちんとけじめを付けて仕事をしていた」

 また、日本選手団が開会式などで着用したウェアなどを手掛けたAOKIホールディングス。

 関係者によりますと、AOKIの青木拡憲前会長(83)は東京地検特捜部の任意の聴取に金銭の提供を認めているということです。さらに「コンサルティングの報酬だった」などと周囲に話し、2017年の秋ごろから去年まで月に100万円程度を支払っていたといいます。

 東京地検特捜部は、こうした資金の流れを把握して捜査を進めているとみられます。

 スポーツライター・小林信也さん:「高橋さんは表舞台というよりは、裏側で色々な交渉の先頭に立っていた方。東京五輪に関していえば、東京に五輪を持ってくるための決め手になるような動きをなさっていた」

 高橋元理事は国内外のスポーツ界に幅広い人脈を持ち、東京2020大会の招致に尽力。

 今回、AOKIのオリンピック関連事業に便宜を図った疑いが浮上し、資金提供の趣旨について捜査が進められています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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